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サントリー美術館!

 第66回日本伝統工芸展が始まった。先週はこれに関わる諸々の行事や会議に出席のため3泊4日の上京だった。

 久しぶりの東京だったけど、やはり皆に会うのはいい!いろんな人から刺激を貰うことが出来た。

 モチベーションアップで帰って来たけど、なにより今回の白眉はこの展覧会!

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 前夜、呑み過ぎて辛い身体にムチ打ちながら出かけて来たけど、想像を遥かに超えて素晴らしかった。

 入ったらいきなりあるのが「卯花墻」!その存在感たるや半端ない。その他「羽衣」、「広沢」、「峯紅葉」、「朝日影」、「通天」、「猛虎」、「橋姫」、「山の端」などなど、いわゆる志野の名碗といわれる茶碗がほとんど勢揃い。こんなこと先ず無いことだから驚いた。

 もちろんその他、織部に黄瀬戸に瀬戸黒、そのほどんどが写真でいつも拝見するものばかりで、並んでいる作品群のクオリティの高さに驚いた。

 私が出かけたのは平日の午前中。会場は随分と空いていてかなりじっくりと見ることができて、ほんとに出かけてよかったと思った。こうした茶陶の展覧会は、黙って見れないのかと腹が立つオバサマ軍団がいるものなのだが、それに遭遇することもなく、作品を独り占めできてよい勉強の機会となった。

 それにしても「卯花墻」は、見るたびに印象が違って見えるから驚く。岐阜県現代陶芸美術館の織部展では、何度も出かけて見たし、最近も三井記念美術館で見たけど、その度ごとに印象が違う。あれ?こんなふうだったっけ?などと驚くことがある。何れにしても、その存在感というのか漂わせているオーラにただならぬものを感じるのだ。背伸びして見込みを覗こうとしても、さすがに展示ケースのなかではよく見えない。それでも、この茶碗は他にはないその奥へ引き込まれていきそうになる奥深さを感じるのだ。一度手に取って中を覗きこんでみたい。こんな茶碗を作って見たいと思うのだ。

 「広沢」は、ほんとに久しぶりに見た。というのかあまりじっくりと見たことがないからすごく新鮮に感じた。そして、これまた驚いたのが「羽衣」。この茶碗は、近々では何の展覧会だったか忘れてしまったけど、三井記念美術館で茶室のなかに展示してあるのを見た覚えがある。その激しい表情が大好きだ。確か初めて見たのは名古屋の徳川美術館だったと思うけど、この碗はフェラーリやな… 鳥肌が立つ思いでそんな風に思ったことを思い出した。当時二十代の私は、国宝の「卯花墻」がロールスロイスなら、過激なまでにこちらを刺激してくる造形美と存在感、こりゃフェラーリだなんて興奮したことを思い出す。
 
 でも今回、この「羽衣」がちょっと変わったところが正面にしてあって、全く別の茶碗に見えたから驚いた。胴の内側に描かれた羽衣をイメージする鉄絵を見せるために、本などで見る正面とされている部分をずらして展示してあったのだろうか?自分としては、やはりあの鉄絵と火色による激しい部分を正面にして欲しい気もする。そこを正面にしたのか理由を聞いてみたい気もした。 何れにしてもこんな茶碗を作って見たい。すっげーな…なんて思われるような力強さと存在感、そんな茶碗を作って見たい。

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 その他、茶碗はもちろん、美濃を代表する作品がずらりと並んでいて、作り手にとってはほんとに勉強になった。 足掛け4時間近くここにいた気がする。

 この展覧会は11月10日まで開催しているらしい。なんとしてもあと1回見に行きたいと思っている。

テーマ : 陶芸
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

スズキテツ

Author:スズキテツ
岐阜県多治見市在住の陶芸作家
スズキテツの日常と非日常。

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