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個展が終わりました

 すっかり秋らしくなってきた。それにしても9月中頃から忙しさは尋常ではなかった。日本伝統工芸展が東京で始まり、個展はもちろんのこと、日本伝統工芸展の名古屋展、ギャラリーヴォイスのシンポジュウムとほんとに息つく暇もなかった。
 先ずはともかく日本橋三越本店美術画廊での個展を無事に終えることが出来てホッとしいるところだ。

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 今回の個展も、前回の松坂屋の際と同じく「萌生」と題して作品を展開した。

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 今回、一番やりたかったのがこの展示。会場正面奥には特別に台座を用意してもらい、思いのこもった作品群を展示した。

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 見に来る人をアッと言わせるような展示がしたかった。こんな大きなのばっかり並べて三越さんには迷惑をかけるかもと思ったけど、思いの丈が詰まった大きな作品を並べたかった。
 それでも結果的にはこの大きな作品、何点かご縁をいただくことができ、ほんとにやってよかったと思っている。しっかりと面倒を見て頂いた三越さんに心から感謝申し上げたい。

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 すぐ上の階では日本伝統工芸展が開催中だったので、多くの多くの人に見て貰うことが出来た。コロナ禍のなか、どうなることかと心配していたけれど、特に伝統工芸展の会場はこんなに人がいて大丈夫なのかと心配になるくらいの人の入りで、また違うことを心配しなければいけない状態だった。この流れで画廊にも多くの人に来ていただいたので、座ってゆっくり出来る時間などほとんど無く立ちっ放し。久しぶりに味わう感じで、やはり東京は違うと感じた次第。
 一番嬉しかったのは、「いい展覧会やってると聞いたので見に来ました」、だれがそうやって吹聴してくれたのかは分からないけど、そう言って来廊頂いた方が2人いたこと。ここまでの苦労が報われたというのか、もう涙もんの嬉しさだった。ご高覧頂きました皆さん!ほんとにほんとにありがとうございました。この場を借りて感謝申し上げます。

 そして個展の搬出を終えたら、すぐに日本伝統工芸展が名古屋で始まった。

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 こちらも結構な人が入ってくれたようで感謝です。

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 この会期内には、ギャラリーヴォイスでのシンポジュウムもあって、パネリストとして出席もした。

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 このシンポジュウムでも、いろいろあったけど、日本伝統工芸展も無事に搬出。次の会場へと送られて行った。

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 そんなこんなで嵐のような忙しさも、これでいったん休止。個展の結果も先ず先ずでホッとしている次第。。。

 しかし、大きなものを集中して作っていたせいか、個展前くらいから右肩が上がらなくなってしまったのだが、これが東京にいる際には、酷くなってきて右を下にして寝るのも辛くなってきてしまった。いろいろなことに気を遣ってきたからか、いつもより疲れが酷いようで、なかなかその疲れが抜けないのだ。。。

 あ~ 温泉行きたい。。。

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出品作品から②

 三越さんでの個展への出品作品からパート2。

 今回は、新作の茶碗を多数出品する予定。

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 こちらは、最近やり始めた三彩のシリーズ。 薄緑、濃緑、褐釉と3色の塗り分けの三彩です。

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 薄緑が黄色に変わるだけで印象がガラリと変わる。私の釉薬は流れるので、こうして塗り分けた場合、下の釉薬に大きな影響を及ぼして来る。写真の感じで分かりにくいかもしれないが、真ん中に塗ってある緑は、二つとも同じ釉薬だけど、上から流れてくる釉薬の違いでこれだけの大きな違いが出てくる。これが趣しろいところだが、施釉する際の釉薬の厚みによって、大きな影響を受ける。施釉する際には、ほんとに神経を使った。

 茶碗は土の素材の質感が大きく影響する。だから陶芸家はいい土を必死になって探すのだ。最近、茶碗に使っているこの土は、実は随分と前に手に入れていたのだけど、その良さを出し切れずにいた。しかし、茶碗を本格的につくるようになって、やっとこの土の良さを引き出せるようになってきたと同時に、茶碗づくりが楽しくなってきた。

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 これは表面を木のヘラで削って模様を出している。ざっくりとした土だからできることであって、「萌生」のような大きなものを作る土でこれをやってもこんな感じにならない。

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 こちらも表面を木のヘラで激しく削って作りだしている。釉薬が流れて、表情をさらに豊かにしてくれている。

 いままで、茶碗を制作していると、どうも思うようにならないこと多く、思いとの乖離にどうにも作業が中断することが多かったが、最近になってやっと楽しくなってきた。松坂屋の個展の会場にいる際に、こんどはあんな茶碗を、こんな茶碗を作ってやろうと思いを巡らせていたけど、今回はその際の思いが色濃く出た茶碗です。

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 高台もいろんなことを考えながら削っている。たまに上手く削れたりすると、思わずオッと叫びを上げたくなる。それでも、後で見るとアレ?なんてことばかりだけど、まあそんなことを繰り返していくのだろう(笑)

 この土は、高台を削る際にも非常に調子がよくて重宝している。そして、灰釉を施釉するとこんな感じにになる。

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 この写真では少しわかりにくいかもしれないが、火色が結構出てくれて、緑釉とはガラリと違った雰囲気になる。

 今回の茶碗はこんな感じです。楽しんで制作しました。会場で手に取って見ていただけましたら幸いです。

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出品作品から

 三越日本橋本店 本館6階 美術特選画廊での個展まで4日になってしまい、何かと落ち着かない日々を送っている。

 今日は出品作品の紹介です。

 今回の個展のコンセプトも、ここのところのテーマである“草木の萌出る際の力強さ、瑞々しさ”で変わらない。でも、場所がなんといっても日本橋三越さんの画廊!このシリーズのなかではいままでで一番力の入った展覧会になりそうだ。

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 この作品は高さが67.5㎝ある。力強さ、瑞々しさをイメージして作っていると、どんどん大きなのが制作したくなってくる。突き抜けるような作品だ。皆が、あーっと驚いてくれるような。でも悲しいかな、不肖が使用している窯の高さではこれが限界。この限界のなかでも、如何にして強さを引き出そうかと思いながら制作した作品だ。

 そしてこちらも同じく「萌生」と題する作品。

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 今回は、大きなものと、これから大きくなろうとしてる若々しいもの、この対比を展観したくて、どうしたら効果的に展示ができるのか、思いを巡らせている。

 それにしても… もう少し窯が大きかったらなあ… 最近、いつもそう思っている。そしたらもっと大きな迫力のあるものを制作できるのに。

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 今回の作品も、ご覧のとおりかなり際どい状態で窯に入れている。少し向きが変わったら入らなくなるので、何度もやり直して窯入れをしているのだ。

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 毎度のことながらたいへんな作業なのだ。

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 今回の個展、力が入ってます!何卒ご高覧頂きたくお願い申し上げます。

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もうすぐ個展です

 なんか急に秋らしくなってきた。

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 やっと私の苦手な季節から解放される。。。

 個展に向けて最後の窯が、割と調子よく上がってホッとした。

 何度もここで書いてきたことだけど、 緑釉は、窯から出てすぐは酸化被膜を被っているので、洗ってやらなければならない。濡れて湿った作品をそのまま持ち込むわけにはいかないので、こうして乾かしてやる必要がある。今日の晴れ間はまさに天の恵み。よく乾いてくれて助かった。
 茶碗でいろいろと新しい試みをしてみたけど、それが出品できそうでウキウキしてしまう。ぐい吞みも初めて三彩を作ってみた。

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 気が付けば、日本橋三越での個展まで残すは1週間になってしまった。今週は、いろいろな行事もあって忙しい1週間になりそうだ。個展に向けての荷造りもしなければいけない。やらなければならないことばかりだ。

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展覧会情報です

 コロナ禍で自粛、自粛といっていた頃が嘘のように慌ただしくなってきた。

 何度か誘いはあったけれど、その都度お断りをしていた親子展。なんだか罠にはまってしまった感じ(笑)。

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 こちらは18日、日本時間の朝6時からZOOMを利用してギャラリートークがあります。

 そしてまた、こちらもどえらいことになっております。

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 第3回藝座。 広島の百貨店、福屋さんで開催です。

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 よくぞまあこんなところに選ばれたものだと感心してしまう。 冗談はさておき、声を掛けて頂いた前田昭博先生に感謝です。身が引き締まる思いだ。

 そして最後は、一番大事なこれ。

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 漸く今日、図録の発送を終えることができた。

 なんといっても日本橋三越さんの美術画廊は日本で一番だと私は思っている。当然、力がおおいに入るわけで、大きなものをいっぱい作りました。

 コロナ禍で自粛...なんて言ってられない!見た人が力を貰った、なんて言ってもらえるような展覧会になればと思って、最後のひと踏ん張り!

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プロフィール

スズキテツ

Author:スズキテツ
岐阜県多治見市在住の陶芸作家
スズキテツの日常と非日常。

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